岩手県奥州市胆沢区は西に奥羽山脈を臨む自然に恵まれた場所だ。
彼の圃場はよく管理されている。管理されてはいるのだが、その手本は自然である。そのため、自然のような変化がある。
秋になると本当に立派なしいたけが出てくる。最盛期は日の出前に起きて収穫し、夕方にもまた収穫する。
しいたけ栽培の一つのポイントは、じっくりと育てること。それによって密度の高い重くて日持ちのする高品質なしいたけになる。しかし、実はそれが難しい。
そして彼はそれを、10ヶ月以上、あるいはその気になれば1年も維持することが出来る。一般的な栽培者の倍近くの期間だ。
彼の方法では、ブロックに吸水させる水がほとんど濁らない。それにはいくつかの工夫がなされている。綺麗な水を適度に吸水させることによって、菌床ブロックの状態を常に若々しく保ち続ける。
彼の圃場では上から下までまんべんなく立派なしいたけが採れる。もちろん、そのように工夫がなされているからだ。
夫婦で作業を行うことは、昔から知られる家庭円満の一つの方法でもある。
冬は雪深く覆われる。
私が彼のしいたけを初めて手にとって驚いたのはその重量感だ。そしてそれを持ち帰り日持ちのよさに驚き、食べてみて香りと味のよさに驚いた。
培養は非常に重要な仕事だ。
この期間でどれだけ採れるブロックになるか決まる。
培養中に出てくる水の色に注目。